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思いを共有する

今、NHK連続テレビ小説「まんぷく」にはまっています。日清食品株式会社の創業者、即席ラーメンの生みの親、安藤百福をモデルにしたドラマです。

 

リアルタイムでは見れないのですが、録画を週末に一気見しています。適度なドラマ時間もよいですね。

 

そのなかで、主人公となる立花萬平が、まだ世に存在しない、即席ラーメンを開発する上で以下の五箇条を掲げ、この条件を満たす新しい製品を作ることを周囲に宣言します。

 

一、美味しいこと 一、安く買えること 一、便利であること 一、常温で保存できること 一、安全であること

 

いわゆる商品コンセプトですね。ドラマ内でもこのひとつひとつの条件を時間をかけてクリアしていく様が見てとれます。そしてそれに取り組んでいく姿は鬼気迫るものがあります。

 

それはどれだけその事柄に本気で取り組んでいるかということであり、こだわりであり揺るぎないコミットメントであるということでしょう。世の注目を集めるカリスマ創業者と言われる方に多い気がします。

 

しかし世に必要とされ、事業が大きくなればなるほど関わる人が多くなり、その思いが組織全体として薄くなっていく、または色々な考え方が入り混じっていき、最大公約数をとろうとすると成長を阻害するような無難な考え方に落ち着いてしまう企業が増えていきます。

 

一方で、大きくなっても創業者の思いや企業としてのコミットメントを常々、社員と共有している企業は、事業成長をしながらも従業員の満足度が高いのも事実です。

 

この取り組みは成果という面で即効性がなく、地道な継続性を求められるため、経営者の中ではあまり重要視していない、あるいは分かっていても取組が中途半端な場合が多い気がします。社員が思った通りに動かない、受け身である、覇気がない等の原因にこの経営者の思考は大きく絡んできます。

 

経営者として、意識のすり合わせが行き届く仕掛け・仕組みは、例えその企業がどんなステージにいようといようとも欠かす事のできない取り組みのひとつだと思います。