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コンピテンシー

渋谷でのハロウィン騒ぎは、事前に予測された通り、いろいろと議論を巻き起こしていますね。あの規模のイベントで運営主がいないことが、混乱を大きくした一因とも言われています。

 

明確なルールがなければ、個々の解釈レベルに任せられてしまうので、お酒が入った状況で行動を自制しろというのはそもそも難しいのかもしれません。

 

さて本日はコンピテンシ―について。1970年代にアメリカで概念が定義されました。

内容としては、「組織の置かれた環境と職務上の要請を埋め合わせる行動に結びつく個人特性としてのキャパシティ、あるいは、強く要請された結果をもたらすものである」となっています。

 

少し難しいですね。簡単にいうと、

「ハイパフォーマンスを上げるために社員に求める行動内容を定義したもの」になります。

 

もともとは、アメリカの優秀な外交官がどんな行動をしていたかを様々な項目別に観察し体系化したところから始まっています。現在は、我が国の人事制度における行動評価の指標としても取り入れている企業は多いです。

 

コンピテンシーについては、どの業界でもある程度共通利用できるよう汎用的にまとめられたものもありますが、そのまま単純に自社へ当てはめただけでは機能せず、リスクの高いものになってしまいます。

 

成果を出すためにコンピテンシーを定義しますが、そもそもどんな成果を出すべきなのかは、会社/部署/個人単位で落とし込まなければなりません。

 

そうでないと抽象度の高い目標設定になってしまい、具体的に何をすれば良いのかが明確にならないからです。抽象度が高いままでは、受け取り手の感性によって全く非効率な行動をすることも十分に考えらえます。

 

そのため、抽象的に定められた内容を各社員と個別に面談等を交えながら、個々が日々の行動として行えるレベルまですり合わせる必要があります。これには相応の時間を要しますが、コンピテンシーを機能させるためには避けて通れないプロセスになります。

 

成果は相手(取引先やお客様)があることなので、こちらの意思だけではコントロールはできません。一方、コンピテンシーは個々で完結する行動レベルの話なので、いくらでも自分で改善することが出来るという点でコントロール可能です。

 

そういった意味で、コンピテンシーは丁寧に運用さえできれば、人事評価や個々の成長促進の面で非常に有用な考え方となります。